サンドベージュ

朝のビーチ・・・

 

足元を、まるで埃が舞うように何かがすり抜けるので、

視線を凝らすと・・・

 

小さく華奢な、砂色のカニでした。

 

透きとおるようなBodyに、海岸の砂をいっぱいくっつけて・・・サッサカ、サッサカ・・・

 

追いかけると、「え?オレが見えるの?」と、

びっくりしている様子・・・

 

はい、見えています。

 

 

 

この海岸の砂・・・

 

手ですくい、よく見てみると・・・ちっとも砂じゃなくて、

 

いろんな色の貝や珊瑚の細かい破片でした。

 

気の遠くなるほどの時をかけて、この島に流れ着いた、

 

美しく、おびただしい貝と珊瑚の死骸の上に、

 

今、わたしは立っています。

 

サンドベージュ・・・いろんな色・形の総称、

 

さまざまな個性、限りない層が織り交ざった、

 

深い、深い色でした。