ハレの日、ハレルヤ

3月、この時期ならではのエネルギーでしょうか・・・

様々な「ゴールシーン」が脳裏に浮かんできます。

 

 

 

 

果てしなくつづく海岸線に沿って張られた

・・・白いゴールテープ

 

 

様々な形相で、ほぼ同着のように一斉にテープを切っていく

みんな、汗をいっぱいかきながら、気持ちよさそうに・・・

 

 

そして、そのまま流れるように、海に飛び込んでいく

人々の体が、魚のBODYのような流線型に

 

 

より自由で、より軽く、より加速したステージへ

 

 

ゴールでありながら、スタート・・・・出港のような誇らしさが、伝わってくる

 

 

 

 

 

ギロチン台の真上、青空を背景に、巨大な刃物が朝日に輝いている「・・・きれいだ」

 

あとは、重力に任せて落ちてくれば、確実に、頭と体が分断される・・・

ほ~~~、大きく息がつける

 

「存分に生きた・・・悔いは ない」

いつ落ちてきてもいいという・・・静かで、澄み渡った空が自分に映っている

 

今、この瞬間

この世での最後の空気を、一呼吸、一呼吸、この胸にとどけよう

 

ワインを、ゆっくりまわし飲むように・・・・

 

湧き上がる至福の涙が 視界を包み、幕が静かに閉じられていく

 

 

 

 

 

曲が終わりに近づいている 自分の握る指揮棒で 終わりを決めることができる

 

この仲間たちと もっと演奏していたかった・・・

この曲が好きで、何度も転調、リピートしてきたけれど・・・

 

そろそろ、タイミングなんだね

 

響きを大切に・・・・拳を 結ぶ・・・・この瞬間こそ、待ちに待った格別な瞬間だ

 

響きが、余韻が、この場に広がっていく 

 

振り向くと、天井まで埋め尽くす観客、観客・・・

波のようなスタンディングオベーション 

 

「ありがとう」 この老いぼれの演奏を楽しんでくれて

この響き、何かに自由に使ってくれたら、こんなに嬉しいことはない

 

さぁ、拍手のバイブレーションに体が同調するまで、賞賛をじっくり全身に浴びよう

 

そして、両手を胸にあて、深く深く ふたつに体を折っていく・・・

 

「どうか、このいとしい人たちに 幸あらんことを・・・」

 

 

 

 

 ・・・ゴールシーンは、「人生最大のハレの日」なのかも しれません。